「美容室の照明は何を選べばいいの？」「そもそもどんな種類があるの？」と悩んでいませんか。
美容室の照明は、お店の印象や施術の仕上がりを左右する大切な要素です。
この記事では、美容室に必要な明るさの基準や照明の種類、色や配置の選び方を分かりやすく紹介します。
これから美容室を作る方や、照明を見直したい方はぜひ参考にしてください。
美容室の照明は重要
美容室の照明は、施術のしやすさとお店の雰囲気につながります。
カットやカラーの仕上がりの見え方を大きく左右し、お客様が感じる雰囲気や居心地にも影響します。
ここでは、美容室における照明の重要性を3つ紹介します。
美容師法で「100ルクス以上の照明」が定められている
美容師法施行規則では、作業面の照度を100ルクス以上に保つことが義務づけられています。
ただし、実際の美容室では100ルクスでは暗すぎるため、カットやカラーの作業には1,000ルクス前後の明るさが理想とされています。
カラーの仕上がりを確認する
照明は、カラーや全体のスタイリングを正確に見るために欠かせません。
暗すぎると色の見え方が変わり、仕上がりの印象にもズレが出てしまうことがあります。
太陽光に近い色味の照明を使うことで、カラーやスタイリングの見え方を正確に確認でき、お客様に満足してもらいやすくなります。
店の雰囲気
照明のトーンや配置は、お店の雰囲気をつくる大切な要素です。
明るい光は清潔感を演出し、温かみのある柔らかい光は落ち着いた印象を与えます。
空間のテーマやインテリアデザインに合わせて照明を調整することで、お客様にとって居心地の良い空間を演出できます。
照明は主に2種類
美容室の照明は、大きく「全体照明」と「部分照明」に分けられます。
- 全体照明：全体を照らすベースライト
- 部分照明：必要な部分を補う/強調したい箇所を照らす
2つの照明を組み合わせることで、作業しやすく雰囲気のある空間をつくることができます。
全体照明
全体照明は、室内全体を均一に明るくするための照明です。
施術や移動時に十分な明るさを確保し、基本的な視認性を担保します。
シーリングライト
天井に取り付けるタイプで、広い範囲を明るく照らせるのが特徴です。
明るさをしっかり確保しやすい反面、家庭的な印象になりやすく、美容室の雰囲気によってはややカジュアルに見えることもあります。
ダウンライト
天井に埋め込むタイプのライトで、空間をすっきり見せたいときに最適です。
シーリングライトほどの明るさは出ませんが、複数設置することでムラなく照らすことができます。
ペンダントライト
天井から吊り下げる照明で、デザイン性の高さが魅力です。
様々なデザインがあるため、自分のサロンや雰囲気にあったものを選択できます。
また照明のサイズや吊り下げる高さを変更することで、柔軟な使い方ができます。
部分照明
部分照明は、全体照明だけでは明るさが足りない場所を補うために使います。
特にセット面や商品棚など、明るさを強調したいエリアに設置すると効果的です。
逆に、リラックスしたいシャンプー台周りなどは少し暗めにすることで、空間のメリハリをつくれます。
スポットライト
光を一点に集中させ、必要な箇所をピンポイントで照らします。
セット面の上に設置してお客様の顔周りを明るく見せたり、商品棚やポスターを照らして視線を集めたりするのに適しています。
ブラケットライト
壁に取り付けるタイプの照明で、通路や壁面に柔らかい光を加えたいときに使われます。
動線を分かりやすくするほか、デザイン性の高いブラケットを選べば、おしゃれなアクセントとしても活躍します。
明るさの目安は「1,000ルクス」
「照明ってどれぐらい明るいといいの？」と思うかもしれません。
結論からいうと、1,000ルクスが目安になります。
1000ルクスは、スーパーの生鮮食品売り場ぐらいの明るさです。
美容師法では、作業面の明るさを100ルクス以上と定めていますが、これはあくまで最低基準です。
実際の美容室では、髪色や細かい動きを正確に確認するために、より明るい環境が求められます。
日本産業規格（JIS規格）では、理美容所の作業面は1,000ルクス以上が推奨されています。
明るいことで髪の色味や質感がはっきり見え施術がしやすくなり、仕上がりをお客様に見せるときも綺麗で見やすいです。
一方で、シャンプー台や待合スペースなどは少し明るさを落とし、落ち着いた雰囲気に調整するのがポイントです。
色
照明の「色」は、空間の印象やカラー施術の仕上がりの見え方に大きく関わります。
光の色は「ケルビン（K）」という単位で表され、数値が高いほど白や青に近くなり、低いほど暖かみのあるオレンジ色になります。
美容室では、用途に合わせて照明の色を使い分けるのがポイントです。
カットやカラーを行うセット面には、太陽光に近い「昼白色（約5,000K）」がおすすめです。
色の見え方が自然で、髪色や肌のトーンを正確に確認できます。カラー施術でも安心して作業できる明るさと色味です。
一方で、シャンプー台や待合スペースなどでは、落ち着いた雰囲気を演出できる「電球色（約2,700K）」が向いています。
柔らかいオレンジの光で、お客様がリラックスできる空間づくりに最適です。
このように、エリアごとに光の色を変えることで、施術のしやすさと居心地の良さを両立できます。
失敗しない照明の選び方
美容室の照明を選ぶときは、「空間の印象」と「作業のしやすさ」の2つが大切です。
全体の雰囲気を決める
照明は、美容室の印象を左右する大きな要素です。
オシャレで洗練された空間にしたいのか、温かく落ち着いた雰囲気にしたいのかによって、使う光の色や配置は変わります。
お客様にどんな気持ちで過ごしてほしいかを考えながら、清潔感や居心地の良さを意識して照明のトーンを決めましょう。
適切な照明を選ぶ
施術を行うセット面には、明るく白っぽいライトを使用すると、髪色や肌の色が自然に見えやすくなります。
カットやカラーの正確さを保つためにも、1,000ルクス程度の明るさを目安にするのが安心です。
一方、シャンプー台や待合スペースなどは、少し暗めで温かみのある光を選ぶとリラックス感を演出できます。
エリアごとに照明の明るさと色を調整することで、機能性と雰囲気の両方をバランス良く整えられます。
まとめ
美容室の照明は、明るさ・種類・色の3つを意識して選ぶことが大切です。
明るさの目安は1,000ルクスですが、セット面など作業が細かい場所は明るく、シャンプー台や待合スペースは少し落として雰囲気を整えましょう。
照明の種類は「全体照明」と「部分照明」の2つ。
全体照明で明るさを確保し、部分照明でポイントを強調するとバランスよく仕上がります。
さらに、光の色も重要で、セット面には自然光に近い昼白色、その他の空間には温かみのある電球色を使うと、お客様にとって居心地の良い空間になります。
