「毎月の棚卸しに時間がかかりすぎる…」「気づいたらカラー剤が期限切れで廃棄していた」と悩んでいませんか?
材料費の高騰が続く今、在庫管理の精度はそのまま利益に直結します。
結論からいうと、美容室の在庫管理は仕組みを整えるだけで、棚卸しの時間も材料費のムダも大きく減らせます。
この記事では、在庫管理が必要な理由から、棚卸しを短時間で終わらせる具体的な方法までを、調査データを交えて詳しく解説します。
材料費高騰の今こそ、美容室に在庫管理が必要な理由

美容室では、カラー剤・パーマ液・シャンプーなどの業務用消耗品に加え、店販商品まで、多くの在庫を抱えています。
これらをきちんと管理できていないと、材料費のムダや廃棄ロス、欠品による機会損失につながってしまいます。
いま在庫管理が重要視されている背景には、材料費の高騰があります。
未知株式会社・美通販の調査では、美容師・サロン関係者の91.5%が材料や備品の価格上昇を実感していると回答しました。
とくに値上がりを感じる商材は、下記の通りです。
- ヘアカラー剤:74.5%
- ブリーチ剤:51.1%
- シャンプー・ヘアケア剤:51.1%
- パーマ剤:44.7%
さらに、78.7%が仕入れ負担を「大きい」と感じています。
仕入れ値が上がっているからこそ、「まだあるのに発注してしまう」「使わないまま期限が切れる」といったムダは、以前より大きな痛手になります。
美容室の材料費(原価)は売上の10%以内が理想とされていますが、在庫管理が甘いとこの10%を簡単に超えてしまいます。

逆に言えば、在庫を正しく把握するだけで、利益率の改善に直結するということです。
とくにカラー剤は、オーダーごとに調合するため、一度出したら戻せません。
だからこそ「どの薬剤をどれだけ使ったか」を記録・把握できる仕組みがあるかどうかで、廃棄ロスの量は大きく変わります。
在庫管理をしないと起きる2つの損失
在庫管理を後回しにすると、大きく2つの損失が生まれます。
- 過剰在庫|キャッシュと保管スペースを圧迫する
- 欠品|施術できず、その場で売上を逃す
片方だけを気にして、もう片方を見落とすケースが多いので、両面で押さえておきましょう。
過剰在庫|キャッシュと保管スペースを圧迫する
必要以上に在庫を抱えると、その分の仕入れ代金が現金として出てしまい、キャッシュフローが悪化します。
J-Net21(中小企業基盤整備機構)でも、過剰在庫は在庫維持費用の増加・収益の減少・キャッシュフローの悪化を招くと指摘されています。
使用期限のあるカラー剤やパーマ剤は、抱えすぎれば期限切れで廃棄となり、そのまま損失になります。
欠品|施術できず、その場で売上を逃す
逆に在庫が足りなければ、必要な薬剤が切れて予定していた施術ができず、その場で売上を逃してしまいます。
急な買い足しは割高になりがちで、材料費をさらに押し上げる原因にもなります。
「過剰でも欠品でも損をする」という前提に立って、ちょうどよい在庫量を保つことが在庫管理のゴールです。
在庫管理には時間がかかる|棚卸しの負担という課題

在庫管理でとくに負担が大きいのが、棚卸しの作業です。
手作業で管理していると、月末にまとめて数時間かけて棚卸しをする、という悪循環に陥りやすくなります。
営業後の疲れた時間に数時間の棚卸しは、スタッフにとっても大きな負担です。
さらに美容室の在庫管理が難しいのは、単純な「個数」だけで管理できない商材が多いからです。
カラー剤やパーマ液といった業務用消耗品は、「1回の施術でどれだけ使ったか」が曖昧になりがちです。
その結果、理論在庫(あるはずの数)と実在庫(実際の数)にズレが生まれやすくなります。
実際、前述の調査でも、約48.9%のサロンが在庫切れや発注のトラブルを「よくある・たまにある」と回答しています。
このズレやトラブルを放置すると、正確な発注ができず、ムダな仕入れや欠品の原因になってしまいます。
美容室の在庫管理を効率化する方法
在庫管理の負担を減らすためにできることは、主に4つあります。
- 必要な量だけを発注する
- 定位置・ラベルで在庫を見える化する
- 棚卸しは月末にまとめず日次で行う
- POSシステムと連動させて自動化する
ここからはそれぞれ詳しく解説します。
必要な量だけを発注する
使用頻度の低い商品を「まとめ買いすると安いから」と大量に仕入れるのは、在庫管理の面では逆効果になりがちです。
値引きで数百円得をしても、期限切れで1本まるごと廃棄すれば、かえって損になります。
必要な量だけを発注することで、在庫にかかるコストを最小限に抑えられ、廃棄ロスも減らせます。
まずは「何が」「どのくらいのペースで」使われているかを把握することが、適切な発注の第一歩です。
過去の使用量を記録しておけば、繁忙期・閑散期に合わせた発注量の調整もしやすくなります。
定位置・ラベルで在庫を見える化する
在庫の置き場所がバラバラだと、「どこに何がいくつあるか」が分からず、二重発注や探す手間の原因になります。
商品ごとに定位置を決め、ラベルで分かりやすく表示しておくと、在庫の残量がひと目で分かります。
「ここが空いたら発注」という発注点(下限ライン)を棚に決めておくと、誰でも同じ基準で発注でき、欠品も防げます。
誰が見ても状況を把握できる状態にしておくことが、ミスを防ぐポイントです。
棚卸しは月末にまとめず日次で行う
棚卸しを短時間で終わらせる最大のコツは、月末にまとめてやらないことです。
在庫管理の実務では、単価が高い商品や使用期限の短い商品ほど、その日に動いた分だけを毎日カウントする「日次棚卸し」が効果的とされています。
すべてを毎日数えるのではなく、その日に使ったカラー剤・パーマ剤や、売れた店販商品だけをチェックすればよいので、1回あたりの手間はわずかで済みます。
このやり方なら、月末にはすでに大半が記録済みで、確認だけで棚卸しが終わります。
さらに、在庫のズレをその日のうちに見つけられるため、「どこで数が合わなくなったか」の原因もたどりやすくなります。
月末に一気に数時間かけるより、1日数分の積み重ねのほうが、結果的にラクで正確です。
POSシステムと連動させて自動化する
手作業での在庫管理には限界があります。
バーコード管理やPOS連動を活用すれば、施術・販売と同時に在庫が自動で更新されるため、理論在庫と実在庫のズレが起きにくくなります。
棚卸しのたびに手入力する必要がなくなり、数時間かかっていた作業を大幅に短縮できます。
さらに、蓄積された使用データは「どの薬剤にどれだけコストがかかっているか」を数字で見える化し、発注量の最適化や値上げ判断の材料にもなります。
材料費が上がり続ける今、感覚ではなくデータで在庫を管理できる体制が、利益を守るカギになります。
在庫管理はPOSシステムと連動させるのがおすすめ

在庫管理を本気で効率化するなら、POSシステムと連動した在庫管理機能を使うのが最もおすすめです。
会計や施術のデータと在庫が自動でつながるため、手入力の手間やズレをなくしながら、材料費の管理まで一元化できます。
美容室向けPOSレジ「Salon de Net」には、POSと連動した在庫管理機能「Salon de Net Zaiko」があります。
Salon de Netは美容サロン向けITサービスをリリースして25年、全国累計7,500店舗を超えるサロンに導入されている実績あるシステムです。
販売・施術と在庫データが連動するので棚卸しの負担を減らせるうえ、材料比率の分析まで行えるため、「どの材料にどれだけコストがかかっているか」を数字で把握できます。
感覚に頼っていた在庫管理を仕組みに変えることで、材料費のムダを減らし、利益率の改善につなげられます。
まとめ
今回は、美容室の在庫管理について、必要な理由から効率化の方法までを紹介しました。
材料費は91.5%のサロンが高騰を実感しており、原価は売上の10%以内が理想とされる今、在庫管理の精度は利益率に直結します。
棚卸しは手作業だと数時間かかりますが、日次棚卸しやPOS連動を取り入れれば大幅に短縮できます。
必要量だけの発注・見える化・日次チェック・POS連動の4つを意識して、在庫管理の負担とムダを減らしていきましょう。

